2025年5月のオアフ島住宅市場は、戸建ての中間価格が昨年同月比で8.3%と大きく増加したものの、売買件数でみれば戸建て・コンドミニアムともに減少した1ヶ月となった。特にコンドミニアムにおけるで売買の減少が顕著な1ヶ月となった。
ホノルルリアルター協会による
2025年5月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の販売数は235件、前年同月比で5.6%減
- 売出期間は先月8日早くなり、21日間
- コンドミニアムの中間価格は$500,000、前年同月比8.3%増
- コンドミニアムの販売数は374件、前年同月比で21.8%減
- 売出期間は先月より4日早くなり、39日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅の中間価格は前年同月比で8.3%と大きく上昇し、1,175,000ドルとなった。2025年2月につけた過去最高の戸建て中間価格$1,185,000に次ぐ水準となった。
コンドミニアムの中間価格は昨年同月比で1.0%の緩やかな上昇で500,000ドルとなった。
価格帯別の販売件数
戸建ての価格帯別の販売件数を見てみると、昨年同月に40件の売買があった80-90万ドルレンジの物件が27件と32%ダウンを見せた。その一方で、300万ドル以上の高額物件が昨年の11件から今年は17件と54.5%の増加を見せた。100万〜200万ドルレンジは数%ダウンで底堅い売買が続いている。
一方のコンドミニアムは150万〜200万未満のレンジのみが増加しているがその他はあらゆる価格帯で二桁減を見せた。フレディマックによると30年固定金利は平均6.85%と依然として高く、 借入コストや諸費用の上昇が、特に価格重視のコンドミニアム購入者の購入にとって重しとなっている。
売出し期間
売り出し期間の中央値は戸建てで21日、コンドミニアムは39日となった。 先月よりはそれぞれ、8日間と4日間早まったものの、昨年同月比では戸建てが14日から21日へと7日伸び、コンドミニアムでも25日から39日への14日も長くなっている。
売却に時間がかかる傾向は続いているが、とくにコンドミニアムで買い手側の検討時間が長くなっている。
市場在庫・新規売出し物件数
戸建ての市場在庫は月比で1.6%増の818件、前年同月比では27.8%増加。コンドミニアムの在庫は前月比1.8%増と微増だが、前年比で見ると実に55%増の2,556件に達した。コンドミニアムの市場在庫が増加するトレンドは変わらず、”売れないので買えない”というサイクルに入っているオーナーも多いと見られる。
5月の新規の戸建て売出し件数は392件となった。昨年同月比では13.6%増加し、最も増加したのは80万〜99万9,999ドルの価格帯で44%増をマーク。そのうちの36%がエヴァプレインに集中している。
コンドミニアム市場では、新規売出し件数が688件。前年比では4.6%増となった。
そのうち48%が30万〜59万9,999ドルの価格帯で、前年比での増加率は12.2%と最も高くなった。
そのほかの兆候としては、コンドミニアムマーケットにおける売り出し価格の引き下げ件数が増えている。40%が価格の引き下げを行っており、その件数は昨年同月の35%増となっている。
売主はマーケット状況をみて、戦略を見直す人が多くなっており、この在庫量から見ると買い手が強気に出やすいマーケット様相は続くと思われる。
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