ハワイの「ビジネスに必要な保険」について保険エージェントのショーン磯野さん詳しく解説!ショーン・アキオ・磯野さんに聞く(ビジネス・インシュランス・サービセス)

更新日 2025.08.11

今日はハワイの保険エージェント​、日本語も堪能なショーン磯野​さんにビジネス保険について詳しく伺った。 何か起きた時に「知りませんでした」では済まされない、ハワイでの“ビジネス保険”について、日本企業のクライアントも多いショーンさんならではのリアルな情報をお伝えする。

コロナ、円安を経て変わった「ハワイのビジネス事情」

ショーンさん:

私はハワイでオーナーの皆さんがビジネスをスタートする、また運営する際の保険の相談に数多く乗ってきました。特に、初めてハワイに進出しようという企業さんにとっては、日本との違いに戸惑われる方も多いですね。いまハワイのビジネスの現場で起きていることを踏まえて、ハワイのビジネス保険についてお話ししたいと思います。

コロナをきっかけに、ハワイのビジネスのあり方は大きく変わりました。
特に日本人をターゲットにしてきた観光業、ウェディング業、フォト・ヘアメイク、送迎・トランスポーテーションといった分野は、大きな打撃を受けました。しかし、コロナから5年が経った今、新しい動きも見えてきています。 ウェディングドレスの会社、レンタル業など新たな分野でのビジネス参入、また引き続きレストランの出店なども多いですね。円安を追い風に、海外マーケットでのビジネス拡大を狙う企業はまだ増えると予想しています。 ​

ビジネス関連保険の相談タイミングは「物件のリース契約前」がベスト

意外と知られていないのが、「どのタイミングで保険の加入を検討・相談すべきか?」という点。 私が強くおすすめしたいのは、「店舗やオフィスなどの商業不動産のリース契約を結ぶ前」に相談していただくことです。

なぜか? 実は、リース契約書には“保険に関する条項”が盛り込まれてます。例えば、テナントとしてリースを結ぶ条件として、どんな種類の保険加入が条件なのか、また免責額や期間などが書かれています。 リース契約の締結後はどうにもなりませんが、締結前であれば交渉の余地があります。

とくに、オーナーにとってそのテナントが魅力だったり、早く入居してもらいたい事情がある場合など、交渉次第でこの保険の条件をテナント側に有利なように緩和してもらえ、結果的に保険料が安くなることもあります。契約書のレビューも含め、締結前にぜひ早めにご相談いただければと思います。 ​

​訴訟大国アメリカ、保険は日本以上に大切な「防衛手段」

「ハワイはビジネスにかかかるコストが日本に比べて高い」というのは多くの日本からの企業の方が口をそろえておっしゃることです。家賃や人件費、そして保険料も、そのひとつです。

ですが、アメリカは“訴訟社会”。 「ちょっとしたことで顧客とトラブルになり訴訟を持ち出される」「従業員から思わぬ形で訴えられた」 そんなケースも実際に多くあります。 だからこそ、“あなたのビジネスにとって必要な保険はどんなものか”を見極め、加入しておくことは防衛手段でもあるのです。 ​

またビジネスに関する保険の多くは、ビジネスがスタートしてからかかり始めるものも多いです。ビジネス立ち上げの前半でコストがかさんでしまい、いざ保険加入が必要となる局面で資金不足になり、保険料が捻出できない・・・という方もおられました。早めのご相談、そして大体のビジネスプランの予算の中に、最初から必要となる保険料を概算を含めておくことで、後から慌てずに済みます。

​日本と違う!ハワイの保険エージェント事情

日本では「○○保険会社」から保険を買う、というのが一般的ですよね。 アメリカでは、エージェントが“さまざまな保険会社の商品を扱える個人事業主”であることが多いのが日本との大きな違いの一つです。どの保険会社から買うかよりも「どのエージェントから買うか?」が重要になります。 同じ保険商品ならどのエージェントからでもレートは同じ。

でも、お客様の事業内容や状況を見て、「この保険はこのくらい必要です」「ここは削ってもOK」と判断できるかどうか。 コンサルティングの質が、エージェントの腕の見せどころです。 ​

ハワイでビジネスをするなら、これだけは押さえておきたい保険​

実際、ハワイで会社を運営するには、20種類以上の保険が存在します。 私のクライアントには、毎年「現在加入している保険のリスト」を提出してもらい、必要な保険の見直しを一緒に行っています。 ここでは代表的なものをいくつか紹介しましょう。

 健康保険(Health Insurance)

ハワイでは、週20時間以上、4週間以上勤務する従業員がいる場合、健康保険の提供が法律で義務付けられています。 主要なハワイの健康保険会社はHMSA、HMAA、 UHA、 Kaiser Parmanenteの4つです。カバーされる内容、申し込み方法、使える施設数などもそれぞれ異なるため、企業規模や保険料で一番マッチしたものをご提案します。

労災保険(TDI / Temporarily Disability Insurance)

いわゆる労災保険ですが、日本では業務中・通勤中の事故や疾病のみがカバーされるのに対し、アメリカのTDIは職場・勤務時間外の怪我や病気による欠勤も対象になり、従業員が働けない期間の給与の一部を保険でカバーするものです。 ​

賠償責任保険(General Liability)

店舗​敷地内でお客様がケガをした、器物を破損してしまった…などに備える損害保険。前述のように、訴訟リスクが非常に高いアメリカでは、ビジネス運営における「防衛策のひとつ」として日本よりも幅広いカバレッジで、保険料も幅があります。テナント契約などでは、賠償責任保険への加入が契約条件になっていることが多いです。

雇用慣行賠償責任保険(EPLI Employment Practices Liability Insurance)

従業員から経営者やマネージャーが訴えられた場合に備える保険です。 ​日本ではあまり一般的な保険ではないですが、アメリカでは企業が従業員から「不当解雇・セクハラ・人種差別・性差別・年齢差別された」などさまざまな理由で訴えられるというのはよくある話です。

先日、ハワイの日本人オーナーの某レストランで働いていた社員が、別の社員からハラスメントを受けていたのにオーナーがそれを看過していた・・・・ という理由で会社を訴えたケースがありました。最終的には300万ドル以上もの損害賠償の支払い命令が出ました。特に、多国籍スタッフがいる中で、日本流のマネジメントを行っている企業は、文化のズレから意図せずに摩擦が生まれることも起こりえます。

未加入の企業も多いのですが、こういった事件をきっかけに、加入を考える企業も増えると考えています。一度、ご検討されることをお勧めします。  ​​

サイバーアタック保険

私が重要性の高まりを感じているのが「サイバー保険」です。 実際、実際に、ハワイでも某大手保険会社がハッキングを受け、電話もEメール、請求書発行、顧客対応などの業務が3週間完全にストップした事件がありました。

サイバーアタックも日々複雑化し、新たな手口が生まれています。このようなリスクに備える保険もそれに応じて、カバーする領域なが変わってきます。業務ストップによる利益喪失、ITセキュリティのプロを雇う費用など大きな経済的な痛手となることは避けられません。オンラインへの依存度が大きい業界の企業にとっては今後必須になる保険と言えるでしょう。
 

ショーンさんからのメッセージ

お伝えしてきたように、ハワイでのビジネス保険は、日本との違いが大きい領域です。その違いを理解し、信頼できるエージェントをパートナーに持つことが、安心してハワイでビジネスを続ける第一歩です。

ぜひ、スタートの段階から、お気軽に、日本語でご相談ください。
あなたのビジネスが、ハワイでしっかりと根を張れるよう、全力でサポートいたします。


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